2020年2月23日日曜日

『地下室のメロディー』-完成度の高さは折り紙付き

 ジャン・ギャバンとアラン・ドロンの2大スター、ダブル主演のフィルム・ノワール。実はジャン・ギャバンの映画は初めて観る。そういえばこの間の『十三人の刺客』で片岡千恵蔵の映画を初体験したのだが、あの映画での片岡と若かりし里見浩太朗を、ジャン・ギャバンとアラン・ドロンを観ながら思い出していた。片岡の大人物然とした物腰も、里見の好青年ぶりも、ジャン・ギャバンとアラン・ドロンよりよほど魅力的ではある。刑務所から出るなり次のカジノ襲撃を企てるジャンと、チンピラ然としたアラン・ドロンはそれより随分軽い。
 とはいえアラン・ドロンの美青年振りはすごい。この映画では身軽なアクションも見せ、あのチンピラキャラもそれなりに女性ファンに受けるのだろうか。よくわからんが。
 映画は、計画の遂行の過程を的確に描き、最後に計画が破綻する苦さまで、もちろん完成度に疑問はない。
 通気口の中を匍匐で移動するシチュエーションは、いろんな映画で描かれて既視感があるが、この映画がはしりなんだろうか。網部分を通る時、下から見つかってしまうかもとか、音で気づかれてしまうかも、とかいったお約束のサスペンス満載で、これもすこぶるよくできていた。

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