いろいろ残念な日本のビッグバジェット映画を観た後で、アメリカの低予算映画が実に見事で参る。低予算というのも、後からネットで言われなければまるで感じない。むしろ画面がどこもかしこもハイクオリティなのだった。限定された空間での人間ドラマというのではなく、近未来SFだというのに。
近未来SFで評価が高いというほかに何も知らずに観始めると、とにかく先が気になって仕方がない。いちいちの展開に驚き、続きを追うのをやめられない。脚本も演出も申し分ない。そう言われてみれば、画面の緊密さもスピード感も、予算をかけずに撮影の工夫で見せているのだった。
やるなあ。
面白さの一つは、身体に埋め込んだチップが人工知能で、それが身体を操るといきなり肉体の能力を異常に高める、という設定だが、観ていて思い出したのは『寄生獣』だった。
だが、さすがに異生命体との交流テーマとしては『寄生獣』には遠く及ばない。バッドエンドで終わるのも残念。
とはいえ、ともかくサスペンスに溢れた堂々たる娯楽映画として、実にレベルの高い一編だった。
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