2021年3月6日土曜日

NHK『ペペロンチーノ』 -ベテランの手管

  東日本大震災特番のNHK地方局制作ドラマ『ペペロンチーノ』を見る。宮城局だというのだが、主演が草彅剛と吉田羊だというのだから、ずいぶんと力が入っているようだ。

 確かに安っぽくはないがそれほど特別とも思えない。まあこんなもんかと観ているうちに、冨田望生の演技にまんまと泣かされてしまい、ラストでまた。そうか、この手できたか。『今度は愛妻家』の。『見えないほどの遠くの空を』の。

 災害で家族を失った喪失感を描くのにこの手法が使われるということでは『父と暮らせば』『東京マグニチュード8.0』を連想すべきだが。

 そういえば伏線があったじゃないかと気づかされる心地よさと裏腹に喪失感が切ない。ありふれた手法とはいえ、やられた。

 誰かと思えば脚本はベテラン一色伸幸。

0 件のコメント:

コメントを投稿