もう20年以上前の作品なのだった。最後に観たのは十数年前に違いないが、何が明らかになるでもなくあまりにあっさりと終わるその不親切な物語に、大きな満足はなかった印象があった。
世界的な評価を知って、さて観直してみると、結局物語はそうなのだった。背景があまりに描かれないことに対する不全感はある。
だがそれを補って余りある、画面の隅々に行き渡る、力強い創作の意欲に心を揺さぶられる。
安定した作画は今更かもしれないが、画面の不穏な暗さと、アメリカンスクールのパーティー会場の明るさのコントラストに、会場に紛れ込むバンパイアの禍々しさ。
確かに優れたアニメーション作品ではある。歴史的な傑作、といってもいい。
それだけに、十分な長さで「物語」を堪能したかった。
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