実は『ニュー・シネマ・パラダイス』はまだ見ていない。『海の上のピアニスト』も。というわけでジュゼッペ・トルナトーレ監督作はこれが初めて。
画面全体がとにかく豪華で、こういうのも映画の醍醐味だ。鑑定を依頼された半ば廃墟となったヴィラの内装や家具調度、主人公の秘密の部屋の、壁一杯の肖像画。何気ない街角やレストランも。
そういった、映画的〝画〟を作ることと、堂々たるコンゲームとして物語を構成することとは、ともに「映画的」であることの精髄なのかもしれないが、どうも馴染まないような感じもして戸惑う。ドンデン返しに拍手喝采するような話だとは予測してない、という、ジャンル的な先入観。そういうのはもっと軽やかだったりサスペンスフルだったりするスピード感がほしくて、前半の重厚な描きっぷりからは肩透かしだった。
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