2019年12月15日日曜日

『サクラダリセット 前後編』-まあこんなもん

 もちろん期待はしていない。原作の素晴らしさは7巻全体で評価すべきであり、前後編に分かれているとはいえ、3時間半で表現できるはずもない。テレビアニメは24話×20分、約8時間かけてなんとか表現しているのだ。アニメとしての表現には見るべきものはなかったが、それでも丁寧に原作の凄さを伝えていた。
 で、こちらの映画版は、いくつかのエピソードを完全に省略しているにもかかわらず、それでもまるで尺が足りない。まるで説明されていない能力者と能力が重要な役割を果たしているのはどういうわけだ。一体何を理解させるつもりなのか。
 というわけで期待通りだった。
 いやそれでも本当は期待したい。原作の精緻な構造を伝えることができなくとも、河野裕の文章の感触を伝えることはできないのか。その素晴らしさを映画としての語りで表現することはできないのか。
 単なるストーリーの絵解きになっていて、かつストーリーさえ描き切れていない。

 平祐奈は、ポスターで見ると春埼美空なのかと思っていたら、相麻菫だった。いや、黒島結菜とキャスティングが逆だろ。
 と思っていたら、前編の最後に相麻菫が蘇って、台詞を聞くと、なるほど、これだから春埼美空にするわけにいかなかったのか、と思った。
 と思っていたら、後編では喋る。春埼美空の方が喋らない。じゃあ、やっぱりこっちを平にすればいいじゃないか。黒島の相麻にいっぱい喋らせればいいじゃないか。
 玉城ティナの村瀬は、ばっちり嵌まっていて見事だったが。

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