2020年6月21日日曜日

『ハートブレイク・リッジ』-達者なエンタテインメント

 クリント・イーストウッド祭状態なのは、NHK・BSの放送のせいでもある。海兵隊歴戦の勇士、オールドスタイルの「鬼軍曹」が、だらけた若者を鍛え直す戦争映画。最初は反抗的だった若者達との間に絆が生まれて、次第に優秀な部隊に育っていく様子は『がんばれベアーズ』的スポ根映画と同じコンセプトだな。
 「戦争映画」だと思っていなかったので、後半で実際に戦場に行き、死者も出すという展開に驚いた。ネットでは戦闘シーンに突入するのが遅いというような感想もあったが。
 結局揺るぎない腕っ節の強さを後ろ盾とする強引さがあってこそのやり方じゃないか、とか、あまりに脳天気にアメリカ万歳の戦争賛美になっているじゃないか、とか、戦争の悲惨が描かれない、とか、シリアスに観てしまうと不満はあるが、ユーモアや人情話として観ればやはり手堅いエンタテインメントではある。
 つくづく達者な監督だ。

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