2020年7月5日日曜日

『ハリーの災難』-アンバランス

 まるで画のような、不自然とも言えるほど綺麗な紅葉の野山の風景に圧倒される。いや、そういう映画ではない。一人の男の死体をめぐるドタバタのブラックコメディ。
 コメディだからこういう扱いでいいのだろう。死体に対する扱いが不謹慎であることに目くじらを立ててもしょうがない。
 だが登場人物達が何をどう感じているかで、物語のサスペンスがかわってくる。それにどの程度の不安を感ずるのか、何を喜ぶのか。
 どうもそれがよくわからない。観ていてピンとこない。
 「二枚目」の画家と未亡人の「ヒロイン」の突然のメロドラマも、どうして必要なのかわからない。映画のお約束として、ということなのだろうが、観ているこちらはまるで要求する気になれず、喜ばしくもない。

 全体としては三谷幸喜風のスラップスティックとしてはよくできたお話なのだろうと思いつつ、上記の様なわけでどうにもしっくりいかず、感情が動かなかった。
 シャーリー・マクレーンの可愛さと紅葉の美しさというだけでは。

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