2016年8月13日土曜日

『茄子』 -なぜ「ジブリブランド」にしないのか

 『海がきこえる』の流れで、娘と観た。しかも『アンダルシアの夏』『スーツケースの渡り鳥』二作続けて。
 「ジブリ作品」ではないが、この濃厚なジブリ臭は、監督の高坂希太郎がやはりジブリ作品にかかわる常連アニメーターだからである。
 だが「だからである」で済ますには似過ぎである。なぜジブリで権利を買い取って、ジブリブランドで売らないのか。高坂希太郎がジブリ関係者だからって、制作会社が違っては、スタッフも違うからしょうがないんだろうけど。もったいない。
 まあいい。作品としては面白いに決まっている。黒田硫黄である。しかもかなり忠実に、丁寧に作っている。かつ『スーツケースの渡り鳥』は原作をかなりふくらませてオリジナル作品として成立させつつ、原作を損なってはいない。原作の飄々とした空気は、漫画というメディアの文法の賜物を、黒田硫黄が充分に使いこなしたうえで生み出したものだが、メディアの違うアニメーションでは、それはそれで、アニメーションの良さを十全に発揮する高坂の仕事が見事だ。

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