オリンピックに向けての「戦意高揚」といったところだろうが、世評に高いこの映画を観たことがなかったので、TV放送されたのを機に。
だが結果として、またしても、カットのために無残なことになったのだと後になって分かった。見ている最中は、このあたりの事情については説明がないのか、とか、感動的であるために必要と思える前振りがなさ過ぎるなあ、とその不自然さに首をひねっていたのだが、後で調べてみると30分以上のカットがあるようなのだ。
それでもシーン毎の力は疑う余地がない。
有名な海岸の集団走のスローモーションは何やら力強かったりそれぞれの人柄が見えてきたりするし、それ以外の練習風景やら競技風景やらが実に映画的だ。リアルな作り物といったような矛盾した形容をしたくなるような、手の込んだ創作物なのだ。画面の隅々まで演出の手が行き届いているのが感じられる。
そうなると惜しむらくはカットのあるテレビ放送なぞで見たことだな。
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