2021年12月24日金曜日

『キャビン・フィーバー』-許せない不合理

 先月の『キャビン・イン・ザ・ウッズ』とは間が開いているが、昨夜から2作続けての「キャビン」物で、『ホステル』は未見だが話題のイーライ・ロスのデビュー作。

 昨夜のループ物とは違って、こちらは感染の恐怖を描くホラー。

 だが単なる感染の恐怖が描かれるばかりではない。犬に喰われるとか、謎の狂気じみた男たちが殺しに来るとか自閉症的な子供に噛まれるとか、主たる恐怖の本筋とは別の要素が混ざってくる。これは『フローズン』でも感じたことだ。余計なことだと感ずる。「感染の恐怖」をつきつめてくれないか。「感染の恐怖」という設定をしたら、それによって起こりうる様々な局面で映画を貫徹してくれていいのに。

 ホラー映画の怖さは、外から迫る脅威よりも、それに直面した人々の心である、というのも一つの真理ではある。感染という恐怖は、そうした恐怖を描きやすいとはいえる。だがそれに駆られて馬鹿な行動にはしる者がいるのはお約束とはいえ、あまりに馬鹿すぎると見ていてイライラするので、好みを言えば理性的で合理的な登場人物ばかりの方がありがたい。そうでこそ恐怖がひきたつと思うのだが。

 というわけで、総じて、展開といい登場人物たちの行動といい、不合理なことが多すぎて見ていて不愉快になった。

 「馬鹿馬鹿しい映画」というのがある種の褒め言葉になるような鑑賞は残念ながらできない。

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