今更だが、全然追いつかないのだ。もう4クールも終わるのに、まだ3クールのを観ていないのもある。
が、まあ一段落させて。
「小林さんちのメイドラゴンS」
安定の京アニクオリティで、ほのぼのと、微妙なシリアスのバランスも素晴らしい。繰り返し見たくなるというものではないが、毎回気楽に観て、いつもそれなりに楽しかった。
「探偵はもう、死んでいる。」
初回は作画のレベルも高く、先が楽しみだと思ったが、みるみる落ちて途中で見るのをやめた。最後の方を見たが、回復はしていなかった。
美少女探偵といえば「屍人荘の殺人」だが、実に今風のガジェットだ。語り手の軽口は「涼宮ハルヒ」のキョンから「青春ブタ野郎」「俺の青春ラブコメは」など、先達に事欠かないが、そのレベルでもない。謎の組織の人造人間といい、実にまあライトノベルだ。
それなのに「探偵はもう死んでいる」という設定だけで何だか胸騒ぎがするのは「君の膵臓を食べたい」に通ずる抗いがたい俗っぽさではある。
「出会って5秒でバトル」
原作は論理ゲームとして素晴らしかった(途中まで読む限り)。その面白さでアニメも1クール見続けたが、作画も演出もひどかった。
「平穏世代の韋駄天達」
原作を見ていないのだが、妙な絵柄で背景美術まで統一されている。物語の変さ加減は原作のクール教信者の持ち味だろうか。「小林さんちのメイドラゴン」と2作が同時アニメ化というのもすごいが、どちらもちょっとわけのわからない発想だ。魔族というのは実に凡庸な今風ファンタジーで、そこを恥ずかしげもなく設定しておいて、対するのに韋駄天という神を置くところが尋常ではない。
物語も、恐ろしく「クール」に論理を展開するところと、発想の突飛さとが同居して狂気じみている。
完全な途中で唐突に今クールが終わってしまい、これは続編ありきなのか?
「Sonny Boy」
初回の「漂流教室」とそこに展開される「冷たい校舎の時は止まる」っぷりから、何か尋常じゃない斬新なイメージの奔流に圧倒されて始まった。今頃どういうわけで江口寿史を引っ張り出したのかも解らないが、どの断片を切り取っても画面に横溢する力が尋常じゃない。油絵の具の筆のタッチをそのまま見せる美術もおそろしくレベルが高く、それを次々と見せる贅沢さにも圧倒される。
そして監督の夏目真悟のオリジナル脚本がまた特異だった。初回こそ「漂流教室」だし、最終回は「2年間の休暇」と、枠組みはよくある多世界漂流物ではあるのだが、各話のイメージは多彩で、群像劇としても丁寧な描き込みで、初脚本作品がこれか、と呆れるような思いで毎回観た。
最終回の切なさは、またいつかあらためて観て、それなりに受け止めたい。
「スペース・ダンディー」「ワンパンマン」「ACCA13区監察課 」と良い仕事をしてきた夏目真悟は、「ブギーポップ」で一旦は落胆したのだが、またこれは観るべき作家としてあらためて注目していきたいと思っていたら、次回作は森見登美彦と上田誠とくんで『四畳半』+『タイムマシン・ブルース』なのだそうだ。
「ひぐらしのなく頃に」
オリジナル展開になってからの今シリーズは意外に長くなった。パターンの繰り返しがしつこいと感じるのは、個々のエピソードや各話が、それ自体ではそれほど面白いとは感じないからだが、我慢して最後まで観ると、その長さ自体がある種の感慨を醸し出してくるというのは、旧作もそうだった。とはいえ旧作では、いくつかの場面で感じたカタルシスや希望の手触りが、今作では出会えなかったのは残念。旧作にも増して思い切った残酷描写が攻めている感もあったが、繰り返しすぎで飽和していたし。
ともあれ、最後に「いろいろあったなあ」と思える感じは、登場人物に対してばかりでなく、スタッフに対しても感じてしまうのだった。
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