2022年8月25日木曜日

『インターステラー』-手間のかかった奇跡

 冒頭からしばらくの、緩やかな終末の描き方からもうSFとしてのレベルが高いことはありありとわかる。

 全体としては、そんなうまく偶然がはたらくかよという一種の「スーパーマン映画の不可能性」があちこちに起こっているのだが、それで冷めてしまうには全体としての考証の手間に圧倒されてしまう方が大きくて、結局は感動的になっている。

 なるほど感動はある種の奇跡が引き起こすが、奇跡は確率的な低さに根拠づけられているから、それが安っぽいと冷めるのだ。

 堂々たる大作で、実によく考えられた感動作だった。

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