前作は映画館で観た。そのせいかその年度のベスト10に入れてる。そんなに高評価だったような記憶はないのだが。
まあ楽しい映画だったとは言える。適度に怖く、しかし後味は良く。ホラー映画でありながら、ジュブナイル物として感動的だったんだ、確か。
となると大人編はどうなるのかと当時書いているが、さて。
手触りは前作とほとんど変わらなかった。ホラーとギャグが混ざってテンポよく繰り出されている。エンタテイメントに振り切って友情と勇気で敵を倒す。
だが完結編は前作ほどには面白くなかった。前作と違う面白さはなく、前作にあった少年団の友情物語としての面白さは、主人公たちが大人になってしまってはもう同じように無邪気には受け入れられない。
前作でも感じたが、物理的な攻撃と精神的な攻撃のバランスはやはりよくわからなかった。
大人は、基本的にはトラウマを克服できるかどうかが勝負になっている。恐怖に負けるとやられる、というような法則があるように見える。かと思うと、いたいけな子供が牙のいっぱい生えた口でかじられてあっさり殺されてしまう。それはどんなトラウマに負けたということなのだ?
物理的な攻撃が恐いなら大人だって恐いはずだが、単に勇気を出して立ち向かっていれば攻撃を受けないという安易な対抗策で結局は勝ててしまうのだ。どうも法則がはっきりしない。
前作は子供たちが主人公で、なおかつ大半は親との葛藤の克服がテーマだったのだが、大人になってしまった主人公たちには、また別の葛藤とその克服が描かれてほしかった。
最も怖かったのは、老婆が実は化け物だったというシークエンスで、主人公の背後で老婆が不審な動きをする、という演出だった。その後で結局化け物として近づいてくるときには、ビックリはするが、恐いというよりほとんど笑えるくらいの「やり過ぎ」感満載で、それはまあこの映画全体のテイストなのだった。
それにしても老婆の全裸が恐いというのは、『VISIT』といいこの映画といい、何かアメリカ人のトラウマに関係しているんだろうか。
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