2020年9月13日日曜日

『マッドマックス/サンダードーム』-ちょっと格調高くなってる

  連続でシリーズ三作目を。

 こちらはカーアクション成分は、はるかに抑えめで、その分「バータータウン」と子供だけで暮らしているオアシスの、二つのコミュニティの造型が面白い。というか、『2』の採掘場はコミュニティというほどの描き込みはしていなかったから比較にはならないのだが。

 子供だけのコミュニティはどうみても非現実的だが、それだけに何やら神話的なメタファーの味わいである。マックスは伝説の人物のように誤解される。飛行機が自分たちを連れて行ってくれるという言い伝えが、それこそ「神話」のように伝えられているのだが、ジャンボ旅客機の残骸のスカイラインに子供たちが並んでいるショットはまるで宗教画のような、なんとも印象的な画だった。

 それにモーリス・ジャールの、あまりに壮麗なオーケストレーションが、ますますアクション映画離れした格調を与えている。

 最後に一応のカーアクションも見せて、さらに空に飛び立つのもやはり神話的な隠喩的な展開だった。そして廃墟となったシドニーの上空を飛ぶ。

 ようやく都市が出てきた。廃墟としての都市。

 そしてやはりマックスもまた「神話」のように語り継がれるのだった。この形式は『1』もなのか?

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