2014年12月24日水曜日

『沈黙の戦艦』

 かわぐちかいじの『沈黙の艦隊』は「ヨルムンガンド級」の名作だが、その二番煎じというか“柳の下の泥鰌”商法で『沈黙』シリーズと名づけられたスティーブン・セガールの映画は、一つも観たことがなかった。というわけで初体験は第一作の『沈黙の戦艦(原題:Under Siege)』である。ついでにいえば、コンセプトは『ダイ・ハード』の丸パクリであるところも“柳”である。テロリストに占拠された船の中で、拘束を免れたスティーブン・セガールが一人、テロリストに対抗するのである。なんともはや。
 だが、楽しい映画だった。むろん大名作の『ダイ・ハード』(私的ベスト10に数えられる)のような高度に練り込まれた脚本の素晴らしさはない。が、展開はスピーディーで飽きさせないし、セガールのアクションは(抑えめではあるが)見事だった。何より、テロリストのトミー・リー・ジョーンズが素晴らしかった。『ダイ・ハード』のアラン・リックマンや『レオン』のゲイリー・オールドマン以上といっていい悪役ぶりだった。芝居のキレといい溢れる狂気といい、いやはや恐れ入った。トミー・リー・ジョーンズってのは今まで、役者としては原田芳雄と同じような位置づけで意識されていたのだが、このキャラクターは、はたして原田芳雄に演じられただろうか。
 ついでにゲイリー・ビジーの嫌味な悪役も実に板についてるのだが、どうも見覚えがあるぞと思ったら、ジェイク・ビジーの父親か! 二代続く悪役の家系!?
 それにしても主役のセガール、ずるいほど強い。安心できていいというか、サスペンスが生じないというか。でかい体で余裕の笑顔を浮かべるだけで魅力的というところもずるい。

1 件のコメント:

  1. かわぐちかいじ
    凄い級!
    普段マンガをさっぱり読まないんで
    たまたま読んだ沈黙の艦隊、、、、
    面白過ぎてびっくりでした!


    ぜひ見てもらいたい
    アメリカテレビドラマ
    有ります! 名前、、、忘れたσ(^_^;)

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