アナログのマスターテープをミックス前の状態で聴きながら、制作時のエピソードを関係者に訊くという企画は『MASTER TAPE ~荒井由実「ひこうき雲」の秘密を探る~』と同一シリーズかと思っていたのだがそういうわけではなくて、新しく始まった「名盤ドキュメント」と称するシリーズの井上陽水「氷の世界」、佐野元春「ヴィジターズ」に続く第3弾なのだった。上記全て見ているが、同様の企画は海外でもスティービー・ワンダーの「メイキング・オブ『キー・オブ・ライフ』」で見たことがあるし、ザ・バンドの「メイキング・オブ『ザ・バンド』」はDVDを持っている。どれも興味深い。
とりわけ今回のはっぴいえんどは、私が中学生の時に初めてレコード屋でレコードを買ったのがベスト盤の『CITY』だったこともあり(『風街ロマン』でこそないが)思い入れも深い。「夏なんです」「花いちもんめ」あたりは中学生の頃に最も好きな曲に数えても良いほどに思い入れがあったし、「風をあつめて」はここ十年来、夏のライブでは唯一入れ替わりのない定番のレパートリーだ。
もちろん番組としてはまるで食い足りない。テレビということで一般視聴者を対象として中途半端に想定しているのが既に全く間違っている。最初からこんな番組は思い入れのある者しか見ないのだ。わかりきった解説はばっさり省いていい。星野源など出す必要は全くない。
それよりもジャケットイラストの宮谷一彦(漫画家としての諸作品はほとんど持っている)こそ出演させてほしかったが、そうでなくともそもそも全曲解説にはなってないではないか。また、言及されているにしても充分な分析もされているとは言い難い。佐野史郎と高田漣も有効活用しきれず勿体ない。
ついでに無論「風をあつめて」は好きな曲だが、どうしてあればかりが「名曲」として特別扱いされるのか。カバーが多いのは、単に歌いやすいからではないのか。原曲を超えるカバーなどできるはずもない唯一無二のバージョンである「夏なんです」の方が、私にとってよほど特別な一曲だ。その意味では佐野史郎が、夏の喫茶店で「夏なんです」がかかるのを聴くのは人生の中でもそうとう幸せな一瞬のひとつだ、と語ったのは我が意を得たり! の思いだった。
そういえば書いていて思い出したのだが、高校一年生の時の美術の授業で、自分の好きな曲で架空のレコードジャケットを作るという課題の時に「夏なんです」のジャケットを描いたのだった。卒業時に提出したそれを返してもらえないかと先生の所へ言いに行ったが結局見つからず、謝られたが実に残念だった(というか、今もって残念きわまりない)。
とまれ、初心者向け基本情報や星野源や「風をあつめて」ばかりに集中しすぎた解説を省けばもっと、と思いはするものの、それでもともかくも全体としては興奮を抑えきれずに観てしまった。
そしてなにより、この場に大瀧詠一がいないのはいかにも残念だが、生きていてもきっと大瀧は出演しなかっただろうな。それでも大瀧のコメントがどんなものだったか、その興味深さを考えると、その喪失感は計り知れない。
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ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3
ソレソレソレ
ッヨッ 待ってました!バンマス
青春だ!
歌だ!
ギターだ!
夜遊びだ!
逮捕だ!
火遊びだ!
演奏 UP おねげーしあす。