2014年12月30日火曜日

『猿の惑星 創世記』

 この間の「暗い未来の映画って大好き」の「暗い未来の映画」といえば『ソイレントグリーン』だろ、というのは我々の世代には相当の共感を持ってもらえるものと信じているが、もうひとつ『猿の惑星』シリーズもあの時代の誰もが知っているお話だ。尤も映画のタッチは「暗」くはない。だが「人類衰退」物でもあり、「核戦争で地球が滅亡」物でもあるところが、60~70年代のSFだ。「終末」物SFは我々の原体験である。
 それに比べると新しい『猿の惑星』は、この後に人類の衰退が待ち構えていようと、あまり「暗」くもないし、第一、未来でもない。そうしたSFっぽさを味わう映画というよりは、ひたすらエンターテイメントとして楽しめる映画だった。最初からシーザー達、猿の動きのCG合成の見事さは、やはり三池崇史や山崎貴とは違う。そこがクリアされれば後は脚本で、その構成も申し分ない。シーザーの人間社会での生き辛さもちゃんと伝わってくるし、施設に収容されてからそこの支配者になっていく過程には映画的なワクワク感が満載だった。
 ただ、ラストは最近のいくつかの洋画同様、不全感を拭えなかった。ウィルス感染はどうなった? それにミュアウッズ国定公園の森はチンパンジーの棲めるような環境なのか? そこに棲んだとて、そのあとに間違いなく決行されるであろう人類による猿殲滅作戦を免れまい。良い人ではあるが思慮に欠ける主人公とシーザーの別れの悲しみを超えて、なんとなくメデタシメデタシ的な空気で終わってどうする?
 と思っていたら、調べてみると、あれは単にカットされているのであって、上記二つもちゃんと次の『新世紀』につながるように解決しているのだった。メデタシメデタシ。

1 件のコメント:

  1. オラも観たぜ!!

    感動した!

    最後のパンデミック!
    感動した!

    怖いけど、、、感動した!

    スターウォーズだ!

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