2020年3月21日土曜日

『三月の5日間』-わからない

 劇団でもない、岡田利規の個人ユニットだというチェルフィッチュによる、岸田国士戯曲賞受賞作品の舞台。
 物語の説明はしない。ただ、「超口語演劇」と呼ばれているのだという台詞回しと、身体の過剰性を表現しているのだという、むやみやたらと動き続ける俳優達の芝居の独特さが奇妙な印象を残す。
 が、それがどうだという感興にもつながらない。面白いと言えば、こういう感じってわかる、と、その痛々しさだったり苦々しさだったりといった感情の起伏がうまく表現されているということだが、その狙いがわかって、だからどうだということもないのだった。「あるある」の面白さならお笑い、コントの世界の方がはるかに豊穣なのは当然だ。そうではない、現実に対する批評性か? どうもピンとこない。
 文化祭の素人演劇を見ると、なるほど台詞を喋っている間、動かない体が不自然なことが突然意識されるが、といって過剰に動かしてみる不自然さによってそれがどう批評されているのか。
 わからない。

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