2014年10月24日金曜日

『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』『すべてがFになる』

 何の予備知識もなしで見始めたすーちゃん まいちゃん さわ子さん(監督:)は大いに満足。気力がなくてレビューはしないが、たぶん間違いなく原作(益田ミリの4コマ漫画)の力であるとともに、監督もキャストもこの映画の空気感を作るのに、良い仕事をしたと思う。同じレストランものといえば、前に書いた『幸せのレシピ』が連想されるが、なるほど、どちらもストーリーはどうでもよくて、細部の描き方のうまさで見せる映画だ。
 それにしても、真木よう子や寺島しのぶがうまくても今更驚かないが、柴咲コウのキャラクターがなんとも上手い造型で良いなあと思ったら、原作ではこれが主役なんだな。
 これは原作も読んでみねば。

 そういえば『すべてがFになる』のテレビドラマ版も、朝刊で突然知って第一話を予録して観たが、とりあえず原作に対する思い入れに落とし前をつけなきゃなるまい、という動機だけで期待などできるはずもあるまいという予想通り、安っぽいドラマだった。あの薄っぺらいテレビ特有の画面は、テレビマンの矜持だとどこかで読んだことがあるが、いったいそんな矜持をどうしたいというのだろう。あんな物語を日常(だがテレビドラマという作り物じみた非日常)的な画面で見せて何をねらうつもりか。とりあえず、であれ、映画的な異空間を作ってこそはじめて、あの外連味けれんみたっぷりの「ミステリー」の異空間に視聴者をもっていけるんじゃないのか。でなければ、原作の絵解きに過ぎないあんな緊張感のないお芝居を見せてどうしたいというのか。

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